ズッキーから、「フィリピンでイチゴを作ったら」と言われた後、
ニューヨークでイチゴを作っている人がいる、という記事を思い出した。
2021年3月、東洋経済オンラインの記事である。
古賀社長はまだ30代。55億円もの資金を調達してニューヨークの建物内で
水耕栽培している。
すごいことだと思う。もはやこれ以上の言葉が出ない。
ちなみに、私は3億円の資金で会社を経営していた。 小さい(笑)
詳しくはわからないが、おそらく、古賀社長は、農業未経験者であろう。
農業従事者ほど、こんな無謀な賭けにはでない。
彼らは実直なのだ。
8個入りで50ドル、記事の当時は5000円だが、現在は7000円ほどだ。
ずいぶん、短期間で円の価値が下がったことが分かる。
日本人がいう事はわかっている。
「高い、こんな値段で買う人いるの?」だ。
答え、「いるのだ。」
日本は安くて良いもの、という事だけを追求した結果、経済的に沈没したことを
理解していない。
高くても良いもの、という事が抜け落ちている。
古賀社長は、分かりやすいビジネスを選んだ。
世界一地代が高い場所で、世界一所得が高い人たちに、最高品質のイチゴを売る。
水耕栽培だから、完全に無農薬である。
イチゴは足が早いから、生産地と消費地が近いのも大正解だ。
イチゴは、私たち日本人には、少し高級であるが普段使いの食べ物である。
しかし、海外のイチゴが日本ほどおいしくない、という事実を知っている日本人は
少ない。
古賀さんは、その点に気が付いたのだ。
賢いなぁと思う。
日本からイチゴの苗を持ち出すのは、かなり難しい。
種苗法という法律があり、海外への持ち出しが制限されているのだ。
簡単に言うと、イチゴ苗の開発には権利者がいる。
多くは県ごとにある農業試験場が開発を行っているのだが、中には企業であったり、
個人で開発している人もいる。
そうした開発者の権利を、25年間は守るという法律である。
逆を言えば、25年以上経った苗は、海外に持ち出せることとなる。
では、どうやって古賀さんは、イチゴの苗を持ち出したのであろうか?
昔、韓国人が日本のイチゴの苗を韓国に持ち出して問題となったように、
違法に持ち出したとは考えにくい。
取材を受けているということは、正攻法に持ち出したのであろう。
となると、どの品種だろうか。
会って確かめたいという思いが沸きあがってきた。