菊池さんの記事から、長野の農業支援団体に所属していることが分かったので、
早速、電話した。
ふと、電話するときによぎった。
「そういえば、今、無職だ、なんて言おう」
「はい、長野農業****です。」
「宮崎と言います。御社の南牧村でイチゴ農園をしている菊池さんの記事を拝見しまして、菊池さんに依頼したいことがあるので、連絡先を教えて欲しくて電話しました」
「お宅は農家ですが?」
「いいえ、これから農業を始めたいと思っていまして。」
「なるほど。でも、個人情報になるので、本人に聞かないと教えられないですよ」
「そうですよね」
「お宅さんは、何をしている方ですが?」
ここで困った。
今は会社を退社して無職で、今後、ニッポンのイチゴをフィリピンに持っていきたいので、菊池さんに会いたいという説明をした。
「イチゴをフィリピンですか??」
まぁ、当然のリアクションである。
「私のことは、ネットで検索してもらえば、わかります」と本名を伝えた。
しばし、キーボードをたたく音が聞こえたのち
「あー、こうゆう方ですが。電話口は本人さんですよね?」
「はい、本人です」
「有名な番組を作っていたんですね。これなら菊池さんに打診できますので、
しばらくお待ちくださいね。」
あー、よかった。みんなが知っている番組を作っていた利点である。
10分ほどで、折り返し電話があった。
「今、本人と電話で話できました。大丈夫ですので、電話してみてください」
と菊池さんの電話番号を教えてくれた。
まずは、第一関門、突破である。
仕事が落ち着いているであろう夕方に、本人に電話した。
「長野の農業***からご紹介していただいた宮崎です」
「あー、聞いてますよ、なんだか、イチゴを作りたいのだとか? 」
「というか、フィリピンにニッポンのイチゴを持っていきたいのですけど」
「はぁ、お宅は農家?」
まただ。
まぁ、今後も繰り返されるであろう。「お宅は農家か?」
農家しか、農業ができないという不自由な日本ならではの会話である。
今後、何回、言われるのだろうか。楽しみでもある。
「詳しくは、伺って話しますので、お時間いただけませんか?」
長野は10年以上通っているなじみのエリアだ。
南牧村は、山梨に近い、山梨に行った際に通ったところなので、覚えがあった。
「どうぞ、いらしてください」
「ありがとうございます」
住所を聞き取り、後日、伺う約束をした。