ニッポンのイチゴを、フィリピンのベンゲット州トリニダット市にある
イエンの畑に植えて3ヶ月あまり。

度々、イチゴの成長している様子が届くので、嬉しい限りである。

現在、このプジェクトを紹介する動画を制作していることもあって、
イエンが長野の南牧村で実習生として働いていた頃の
写真とかを入手している。

2011年というから、13年前のことである。
当然のことであるが、若い。
イエンは菊池さんのことを、「お父さん」と呼んでいる。
仕事を共にし、イチゴの育て方を教えてもらい、
給料(と呼んでよいのか分からないが)を、もらっていたのだから、
ニッポンのお父さんであろう。

日本に来る実習生の目的。
このプロジェクトをスタートする前までは、お金のために来日する、と
思っていたのだが、どうやらそうでもないらしい。
この2月に会った実習生の家は、それなりの規模の農家であった。
本人曰く、「ニッポンのアニメを見ていて、一度、行って見たい国。
渋谷に行ってみたい。」と言っていた。
実習生という名目なので、それも有りである。
イエンは来日した目的は複数あるのだが、主には日本の農業を学びたくて、
来日した。イエンは7か月と短く、2度来日している。
短期間で儲けることができないため、お金だけが目的でないことは、明らかである。

今回、私が日本のイチゴ苗を持ち込んだことで、彼が本当にやりたかったことが
実現したのである。
それは、ニッポンで学んだ農業を再現することである。
日本は少子化であり、後継者がいない職業の農業。
農家でなければ、農地がたやすく手に入らないといういびつな国、日本。
農業をやりたい人にはハードルが高く、
農業をやりたくない後継者たちの多くが農地を放置している。
このままいくと、現地のイチゴの2~3倍の価格で売れることが予測できる。
購入するのは、フィリピンに居住している日本人である。
フィリピンでニッポンのイチゴが売れて、メジャーになると、
少しでも、日本の農業に関心を持ってもらえるかなと思う。
フィリピンの農家が豊かになって、実習生として日本に行かなくても
良くなるのが、最終の目的である。