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第6話 国内のイチゴ生産の大手企業との打ち合わせ

ニューヨークでは、水耕栽培でイチゴを育てていることを考え、水耕栽培というと、

私の場合、取引先でもあるカネヤ産業に相談だ。

 

愛知県の知多半島にあるカネヤ産業。もともと、プラスチック製の植木鉢メーカーで、国内シェアは40%あまり。

 

植木鉢は主に花卉農家で使用される。

花卉農家は、繁盛記と閑散期の差が激しい。

花の出荷が完了してしまうと、閑散期なのだが、その期間は無収入となる。

 

そんな農家を支援するため、トマトやパブリカなど閑散期でも作れる野菜を開発して、

提案してきた。

さらに、室内で栽培ができる水耕レタスにも着手。

農業の新しい形に挑戦しているのだ。

そこで、役員の青山さんにイチゴに関して相談したところ、

「うちでイチゴの担当者がいるから、連絡させます」とのこと。

何でも農業は、ほぼ全域をカバーしているので、問題ないらしい。

 

後日、イチゴ担当の池田さんから連絡があり、「日本の大手のイチゴの会社の担当者にも同席してもらいます」

 

だんだん、本格的になってきたなぁ。

1月にフィリピンでイチゴを作ると決めてから、7カ月あまり。

その間、5月末に退社して近辺が整理でき、やっとコロナも収まり、やっとスタートなんだなぁと、実感した。

 

2023年8月、南知多のカネヤ産業、本社に株式会社アグリスの方、2名とカネヤの池田さんと4名で打ち合わせを開始した。

 

株式会社アグリスは、ビニールハウスなどイチゴの栽培のセットそのものを販売し、

作り方の指導もしてくれるという会社。

なんとも、頼もしいではないか。

 

私は今回のプロジェクトの主旨と、どうして私が主催者なのか、その意味を説明した。

それに加えて資金面も問題ないことを加えた。

 

私は農家ではないので、農業に参画することに、皆さん疑問を持つからだ。

私の説明後、アグリスの担当者が、苗の関係者に電話で日本から持ち出せる苗を

探してくれた。

 

その時だ。

 

「あれ、宮崎さん。もしかして、フィリピンって条約に入っていないから、苗の輸出が

できない可能性ありますよ」

 

「えー・・・・」

 

プロからの衝撃の一言があった。

そもそも苗を持ち出せない、、、、ニューヨークでも作っているのだから、苗を

持ち出せないなんて考えてもいなかった。

 

このプロジェクトの白紙になる危機である。

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