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第14話 マニラ空港の荷物取り違えから、新たな出会いへ②

フィリピンエアー事務所での議論は収束し、次の舞台を空港の窓口に移動した。

ここまで来るのに、既に空港に到着して1時間は経過している。

いわば、フィリピンの「あるある」である。

次は、空港の事務所。

どうやら、ここで荷物を管理しているようである。

「宮崎さん、パスポートください」

「え?」

「あなたの名前で、荷物を預かっています」

そうか、持ち主は浅野さんだが、フライト時の荷物の受付は私が行った。

パスポートを渡すと代わりに、小さいメモを渡された。

これが許可書のようである。

そして私だけが中に入るように、言われた。

ウーム、パスポート無しの状態で無事、戻ってこられるのだろうか、

一抹の不安を覚えながら、中に入った。

すると、荷物ばかりの部屋に案内された。

そこには驚きの光景が広がっていた。

「えー、こんなに忘れ物の荷物あるんだ。」

驚きである。大量に大型スーツケースが並んでいた。

「こんなでかいスーツケースを忘れる人がいるのか、、、、」

どうゆうこと?

浅野さんみたいに取違いする人もいるのだろうが、多くは忘れ物なのであろう。

しかし、大型スーツケースって忘れるのかなぁ、、、、

と思いながら、浅野さんのスーツケースを探した。

それは、すぐに見つかった。

なぜか。

係官が持っていたからである。 (笑)

私はおそらく浅野さんのスーツケースであろう物を持って出た。

浅野さんに渡したところ、「これだ」とのこと。

まずは、本人に戻った。

問題は、もう一個の取り違えたスーツケースである。

自分のスーツケースが戻り、喜ぶ浅野さん

フィリピンエアーからその持ち主も判明し、連絡先もゲットした。

滞在先のホテルを聞き、届けることとなった。

持ち主は怒り心頭なはず。

何ら落ち度がないし、1晩中、荷物がなくて困ったはずである。

また渋滞に巻き込まれ、普通なら30分くらいの距離なのだが、

1時間以上かかってホテルに到着。

電話してフロントに降りてきて、いただいた。

「あー、良かった。」が持ち主の第一声。

あれ、怒っていない。

持ち主は、岐阜在住の日本人であった。

「いゃー、日本人で良かった。

外国人だったら戻ってこないと思っていたから、良かったです」とのこと。

「外国に来たのだから、多少のことは覚悟しているし、それも楽しまなくては

外国に来た意味がないじゃないですか」

なんて良い人だ。

お詫びして、名刺交換して、帰国後に再開を約束した。

荷物を間違えたのは私ではないので、私が配慮する必要はないのだが。

岐阜で会食の場を作る、お詫びの場を決めた。

真ん中が荷物の持ち主、左側は友人・日本人です (笑)

この真ん中の方、相馬さんという。41歳。

相馬さんがこの先、フィリピンのこの事業にかかわる事になるとは、

この時は想像もしていなかった。

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